色鉛筆がうまく塗れないと感じたら|基本からわかる色の重ね方とコツ

絵を描く楽しみ

色鉛筆で絵を塗っていると、「思ったように色がのらない」「ムラが目立つ」と感じることはありませんか。見本を参考にしても、仕上がりに違和感が残ることもあるかもしれません。

でも、色鉛筆がうまく塗れない理由は、センスではなく塗り方の順序や考え方にあることがほとんどです。基本を少し知るだけで、仕上がりの印象はガラリと変わってきます。

この記事では、色鉛筆を使うことが楽しくなる塗り方のコツをお伝えします。

 

覚えておきたい色鉛筆の基本テクニック7つ

色鉛筆にはさまざまな塗り方がありますが、まずは基本となる考え方を知っておくことが大切です。ここでは、仕上がりを整えやすくなる7つのテクニックを紹介します。すべてを完璧に使いこなそうとしなくても大丈夫。「これならできそう」と感じたものから、少しずつ試してみてください。

① 平塗りで広い面をムラなく塗る

平塗りは、色鉛筆のいちばん基本となる塗り方で、背景や大きなモチーフを整えるときに欠かせません。ポイントは、色を「置く」のではなく、「重ねていく」意識を持つことです。

広い面を塗るときは、強く押しつけず、やさしい力で色鉛筆を動かします。一度で濃くしようとすると、紙の目に引っかかり、ムラや線が目立ちやすくなります。まずは薄く、同じ方向に線を重ねながら、少しずつ色をのせていきましょう。

また、途中で塗る方向がバラバラになると、仕上がりが落ち着かなく見えることがあります。最初は縦・横・斜めのどれか一方向に決め、「なぞるように塗る」くらいの気持ちで進めると、自然な平塗りになります。

② ハッチングで質感を楽しむ

ハッチングは、同じ方向に線を重ねて塗る方法で、色鉛筆ならではの表現を楽しめる技法です。面をベタっと塗りつぶすのではなく、線を活かすことで、軽やかでやさしい印象になります。

木の表面や布、影の部分など、少し表情を出したいところに向いています。線の間隔を広くすれば明るく、狭くすれば濃く見えるため、力加減を変えなくても自然な濃淡を表現できます。

「線が見えてしまうのは失敗」と思わず、あえて残すことで生まれる雰囲気を楽しんでみましょう。ハッチングは、描き手の個性が出やすい塗り方でもあります。

③ クロスハッチングで自然な濃淡をつくる

クロスハッチングは、ハッチングを重ね、線を交差させながら塗る方法です。色鉛筆を強く押さなくても、線の重なりによってしっかりとした濃さを出せるのが特徴です。

影をつけたい部分や、モチーフの奥行きを表現したいときに使うと、自然な立体感が生まれます。最初は一方向だけで塗り、必要に応じて別の方向から線を重ねていくと、濃さの調整がしやすくなります。

いきなりたくさん重ねるのではなく、「少し足りないかな?」くらいで止めておくと、全体のバランスが取りやすくなります。

④ 2色以上を重ねて深みを出す

色鉛筆は、1色だけで塗るよりも、複数の色を重ねることで奥行きや深みが生まれます。実際のモチーフも、単色でできていることはほとんどありません。

たとえば赤いものを塗る場合でも、赤一色ではなく、少し暗い赤や茶色、紫がかった色を重ねることで、落ち着いた印象になります。色を「混ぜる」というより、「そっと重ねる」感覚で進めるのがポイントです。

最初は色の組み合わせに迷うかもしれませんが、同系色から試してみると失敗しにくくなります。

⑤ 明るい色・薄い色からそっと重ねる

重ね塗りをするときは、明るい色や薄い色から塗るのが基本です。最初に濃い色をのせてしまうと、あとから修正したり、色を足したりするのが難しくなります。

はじめは「少し物足りないかな」と感じるくらいで止めておくと、全体を見ながら調整しやすくなります。色鉛筆は、回数を重ねるほど色が深くなる画材なので、焦らず進めることが大切です。

少しずつ仕上げていくことで、安心感を持って描き進めることができます。

⑥ 同系色に少しだけ補色を加える

同系色でまとめると、やさしく統一感のある仕上がりになりますが、少し平坦に見えることもあります。そんなときに役立つのが、補色をほんの少しだけ取り入れる方法です。

補色といっても、目立たせる必要はありません。影になる部分や、色の境目にうっすら加えるだけで、全体にメリハリと深みが生まれます。

最初は「これくらいでいいのかな?」と思う程度で十分です。控えめに使うことで、自然な仕上がりになります。

⑦ 同系色でやわらかなグラデーションをつくる

色鉛筆は、同じ系統の色を使うことで、なだらかなグラデーションを作ることができます。色の差が大きすぎないものを選ぶと、境目が目立ちにくくなります。

グラデーションを作るときは、色と色の間に中間の色を重ねるイメージを持つと、自然につながります。境目をなぞるように、やさしく色を重ねていきましょう。

力を入れすぎず、回数を重ねることを意識すると、やわらかい印象に仕上がります。


色鉛筆でイラストに色を塗ってみよう(実践編)

基本の考え方を知ったら、次は実際にモチーフを塗ってみましょう。ここでは、身近で描きやすい題材を例に、色の重ね方をイメージしやすく紹介します。

色鉛筆イラストに必要な材料と道具

色鉛筆イラストを始めるときに必要なのは、色鉛筆と紙、消しゴムといった基本的な道具だけです。特別な画材をそろえなくても、今手元にあるもので十分に楽しめます。

紙は、少しだけざらっとした質感のあるもののほうが、色が重なりやすく、ムラも目立ちにくくなります。コピー用紙でも描けますが、もし選べるのであれば、色鉛筆用やスケッチ向けの紙を使うと、重ね塗りのしやすさを感じやすくなるでしょう。

また、消しゴムは「消すため」だけでなく、色をやわらかくしたり、明るさを調整したりする役割もあります。道具は最小限で大丈夫なので、まずは気軽に始めてみてください。

重ね塗りを取り入れた「りんごの塗り方」

りんごは、丸みとツヤがあり、色鉛筆の重ね塗りを練習するのにぴったりのモチーフです。最初に、明るい赤を全体にうっすらと塗り、下地を作ります。この段階では、色をのせすぎないことがポイントです。

次に、少し暗い赤や茶色を使い、影になる部分に重ねていきます。りんごの下側や、へこんでいる部分を意識すると、自然な立体感が出てきます。

最後に、光が当たる部分をあえて塗り残しておくと、ツヤのある仕上がりになります。白く残した部分があることで、絵全体が生き生きと見えるようになります。

混色やグラデーションを使った「お花の塗り方」

お花は、色の変化がわかりやすく、グラデーションや混色の練習に向いているモチーフです。花びらの中心部分は色が濃く、外側に向かって薄くなることが多いため、その流れを意識して塗ってみましょう。

まず中心部分にやや濃い色をのせ、外側に向かって少しずつ力を抜きながら色を広げていきます。途中で別の同系色を重ねると、色に奥行きが生まれます。

色を切り替えるときは、境目をはっきり分けず、中間部分をなぞるように重ねるのがコツです。ゆっくりと色をつないでいくことで、やさしく自然なグラデーションになります。


絵の雰囲気に合わせて、塗り方を楽しもう

色鉛筆の使い方に正解や決まった方法はありませんが、ちょっとした塗り方や重ね方のテクニックを覚えておくと、仕上がりがグッと違ってきます。やさしい雰囲気にしたいとき、少しはっきりした印象にしたいときなど、描きたいイメージに合わせて塗り方を変えてみると楽しめそうです。

色鉛筆はゆっくりと付き合うほどに気づきも増え、楽しさが広がる画材。自分のペースで、色を重ねる時間をぜひ味わってみてください。

 

 

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