イラストの始め方ガイド|絵が苦手でも楽しめる、最初の一歩と続け方

絵を描く楽しみ

「イラストを描いてみたいな」と思ったことはあっても、いざ始めようとすると手が止まってしまう——そんな経験はありませんか。絵が得意な人だけの世界のように感じたり、デッサンをきちんと学ばないといけない気がしたりして、最初の一歩がなかなか踏み出せない方も多いと思います。

でも、イラストはもっと気軽に楽しんでいいものです。特別な才能や知識がなくても、「描いてみたい」という気持ちさえあれば十分。この記事では、イラスト初心者の方に向けて、無理なく始められる考え方や道具の選び方、そして楽しみながら続けていくコツを、順を追って紹介していきます。

デッサンよりも先!まずはイラストを描いてみよう

イラストを始めようとすると、「まずはデッサンから」と考える方は少なくありません。確かにデッサンは、形やバランスを理解するうえで役立つ基礎のひとつです。しかし、最初から取り組もうとすると難しく感じてしまい、「やっぱり自分には向いていないかも」と感じてしまうこともあります。

なぜ最初にデッサンをしなくてもいいのか

大切なのは、最初から正しく描くことではなく、「描くことそのものに慣れる」ことです。線を引く感覚や、形を考えながら描く時間に慣れていくことが、イラストの第一歩になります。デッサンは、描くことに慣れてから取り入れても、十分に意味があります。

自由なモチーフでOK

キャラクターでも、動物でも、身の回りにあるマグカップや植物でも構いません。模様のようなものを繰り返し描くだけでも、立派な練習になります。完成度を気にせず、まずは紙や画面に向かってみましょう。

描いてみて初めて見えてくるもの

実際に描いてみると、「ここは描きやすい」「ここは難しい」といった感覚が自然と生まれます。その気づきこそが、これから先につながる大切なヒントになります。デッサンは、必要だと感じたタイミングで取り入れても、決して遅くはありません。

イラストを描く道具を準備しよう

 

イラストを始めるにあたって、道具選びで悩む方も多いかもしれません。しかし、最初から完璧な環境を整える必要はありません。今の自分が「使いやすそう」「楽しそう」と感じるものを選ぶことが、長く続けるためのポイントです。

道具選びで大切にしたい考え方

高価な道具や専門的な画材は、必ずしも上達に直結するものではありません。むしろ、気軽に使える道具のほうが、描く回数を増やしやすくなります。「これならすぐ描けそう」と思えることを基準に選んでみましょう。

デジタルで描きたい場合

デジタルイラストは、スマートフォンやタブレット、パソコンなど、さまざまな方法で始めることができます。最近は無料で使えるお絵かきツールも多く、アプリを入れるだけで、思い立ったその日に描き始められるのが大きな魅力です。

専用の機材がなくても始められるため、「まずは試してみたい」「自分に合っているか確かめたい」という方にも向いています。デジタルなら、場所を選ばずに描けるので、移動中や空いた時間に少しずつ描くことも可能です。

デジタルならではのメリット

デジタルのいちばんの良さは、何度でもやり直せることです。線を描き直したり、色を変えたりするのも簡単なので、「失敗したらどうしよう」という不安がぐっと減ります。

また、重ね塗りや色の調整も気軽に試せるため、「この色は合うかな」「もう少し明るくしたいな」といった迷いも、実際に試しながら決められます。やり直しが前提の環境だからこそ、実験するような感覚で描けるのが特徴です。

デジタルは練習にも向いている

デジタルでは、同じモチーフを何度も描いたり、途中経過を保存したりすることが簡単にできます。線画だけ、色だけと段階を分けて描くこともできるため、「ここだけ練習したい」というときにも便利です。

最初はシンプルな使い方で十分

最初からすべての機能を使いこなそうとする必要はありません。指や簡単なペンで描くだけでも、十分にイラストは楽しめます。レイヤーやブラシの種類なども、必要になったときに少しずつ覚えていけば大丈夫です。

操作に慣れるまでは戸惑うこともありますが、触っているうちに自然と使い方が身についてきます。最初は設定よりも、「描いてみる」「線を引いてみる」という体験を優先してみてください。

アナログで描きたい場合

アナログイラストは、紙とペンがあればすぐに始められるのが大きな魅力です。特別な画材をそろえなくても、家にあるノートやコピー用紙、ボールペンや鉛筆があれば十分に楽しめます。「今すぐ始められる」という手軽さは、イラストを習慣にするうえで大きな助けになります。

また、使う道具によって描き心地や線の印象が変わるのも、アナログならではの面白さです。同じモチーフを描いても、鉛筆とペンでは雰囲気が大きく変わります。最初は難しく考えず、手に取りやすいものから試してみるとよいでしょう。

アナログならではの楽しさ

紙に直接描く感覚は、手を動かしている実感がはっきりと伝わり、描く時間そのものを楽しみやすいという良さがあります。線を引くときの力加減や、紙の質感による描き味の違いも、アナログイラストの魅力のひとつです。

線のゆらぎや、消し跡、少し歪んだ形も含めて、そのときの自分の状態がそのまま残るのも特徴です。あとから見返したときに、「この頃はこんな描き方をしていたな」と思い出せるのは、アナログならではの楽しみと言えるでしょう。

失敗も記録として残してみる

アナログで描いていると、思いどおりにいかない線や、描き直した跡がどうしても残ります。しかし、それを無理に消そうとせず、そのまま残しておくのもひとつの考え方です。

失敗した線や描き直しの跡は、そのとき悩んだ証でもあります。あとから見返したときに、「この頃はここでつまずいていたんだな」「今ならもう少しうまく描けそう」と感じられるようになります。きれいに仕上げることよりも、「どれだけ描いたか」「どんな試行錯誤をしたか」を大切にしてみましょう。

最初から上手じゃなくていい!好きなように描いてみよう

イラストを始めたばかりの頃は、「下手だな」「思ったように描けないな」と感じることが多いものです。でも、それはとても自然なこと。最初から上手に描ける人は、ほとんどいません

上手に描こうとしすぎない

上手に描こう、正しく描こうと意識しすぎると、「失敗したくない」という気持ちが先に立ち、手が止まりやすくなってしまいます。線を引く前に迷ってしまったり、描き始めても途中で消してばかりになったりすることも少なくありません。

それよりも、「まずは描いてみる」という姿勢を大切にしましょう。多少バランスが崩れていても、思った形と違っていても、それは失敗ではありません。描いたという事実そのものが、経験として積み重なっていきます。最初は完成させることよりも、紙や画面に向かう回数を増やすことを意識してみてください。

好きなものを描くのが一番の近道

練習だからといって、興味のないモチーフを無理に描く必要はありません。好きなキャラクターや動物、風景、身の回りの小物など、「描いてみたい」と思えるものを選ぶほうが、自然と手が動きやすくなります。

まねして描くことも、立派な練習のひとつです。形や色の使い方を観察しながら描くことで、「こうするとそれっぽく見えるんだな」という発見が増えていきます。最初からオリジナルにこだわらなくても大丈夫です。

比べる相手は過去の自分

SNSや作品集を見ると、どうしても自分の絵と比べてしまいがちです。しかし、他人と比べても基準が違うため、落ち込んでしまう原因になりやすいものです。

比べるとしたら、昨日の自分や、少し前に描いた自分の絵にしてみましょう。線の引き方や形の取り方が少し変わっていたり、迷う時間が短くなっていたりするだけでも、それは確かな前進です。小さな変化に気づけるようになると、描くことがより楽しくなっていきます。

わからないところが出てきたら上達のチャンス!

 

描き続けていると、「ここがうまく描けない」「バランスが変な気がする」と、気になる部分が出てきます。そんなときは、落ち込む必要はありません。それは、描くことに慣れてきた証拠でもあります。

違和感に気づけるようになるということ

描き始めたばかりの頃は、何が良くて何が悪いのか、自分でもよくわからない状態で描いていることがほとんどです。「なんとなく描いてみたけれど、合っているのかどうか判断できない」と感じる時期もあるでしょう。

けれど、描く回数を重ねていくうちに、「ここが少し変な気がする」「前に描いたときと比べて、何か違う」といった感覚が少しずつ生まれてきます。この“なんとなくおかしい”という違和感は、決してマイナスなものではありません。むしろ、形やバランスを無意識に観察できるようになってきた証であり、観察力が育ってきたサインと言えます。

違和感に気づけるようになると、ただ描くだけの状態から、「考えながら描く」段階へと一歩進んだことになります。その感覚を大切にしながら、次の一歩につなげていきましょう。

一度に全部直そうとしない

違和感に気づくようになると、「ここも直したい」「あそこも気になる」と、修正したい点が一気に増えてくることがあります。しかし、すべてを一度に直そうとすると、どこから手をつければいいかわからなくなり、かえって混乱してしまいがちです。

そんなときは、「今日は手だけ」「今日は顔の形だけ」「今日は全体のバランスだけ」というように、意識するポイントをひとつに絞ってみましょう。ひとつに集中することで、改善点が見えやすくなり、描く手も止まりにくくなります。

小さな意識の積み重ねは、一見すると変化がわかりにくいものですが、あとから振り返ると確かな成長として現れてきます。焦らず、少しずつ進めていくことが大切です。

調べる・見る・試すを繰り返す

わからないところが出てきたときは、そのままにせず、調べたり、他の人の絵を見たりしながら、少しずつ試してみるのがおすすめです。同じテーマを描いている人の絵を見るだけでも、「こんな描き方があるんだ」という発見につながります。

このとき、正解をひとつ見つけようとする必要はありません。「自分にはどの描き方が合いそうか」「この方法なら続けられそうか」という視点で選んでいくと、無理なく取り入れやすくなります。

調べる・見る・試す、という流れを繰り返していくうちに、少しずつ自分なりの描き方や考え方が形になっていきます。その積み重ねが、イラストを描く力を自然と育ててくれます。

繰り返すとさらに上達!楽しみながら続けるコツ

イラストが上達するかどうかは、才能よりも「どれだけ描いたか」が大きく影響します。特別なセンスがあるかどうかよりも、描いた時間や回数の積み重ねが、少しずつ力になっていきます。毎日長時間描く必要はありません。5分でも、1枚でも、描く回数を重ねることが大切です。

最初は「こんな少しで意味があるのかな」と感じるかもしれませんが、その小さな積み重ねが、後から振り返ったときに大きな差として現れてきます。

続けやすいペースを見つける

イラストを続けるためには、自分に合ったペースを見つけることが欠かせません。最初から毎日描こうと決めると、忙しい日や気分が乗らない日に負担になってしまうこともあります。

「週に数回」「気が向いたときだけ」「時間がある日にまとめて描く」など、無理のないペースで十分です。大切なのは、完璧に守ることよりも、「やめずに続いている状態」を保つことです。

小さな工夫で習慣にする

続けるためには、描くことのハードルをできるだけ下げる工夫が役立ちます。小さな紙に描く、ノートの端に落書きする、日付だけ書いて一言添えるなど、気軽にできる形で構いません。

また、どうしても描けない日があっても問題ありません。そんな日は、過去の絵を眺めたり、好きなイラストを見るだけでも十分です。描くことを生活の中に自然に組み込むイメージで続けてみましょう。

振り返りが自信につながる

描き続けていると、ある日ふと過去の絵を見返す瞬間が訪れます。そのときに、「前より描けているかも」「この頃より線が安定しているな」と感じられることがあります。

その小さな実感が、自信につながり、さらに描きたいという気持ちを生み出します。振り返りを通して成長を実感できるようになると、イラストを描く楽しさは、より深いものになっていくでしょう。

とにかく描いてみることから

イラストを始めるのに、特別な準備や才能は必要ありません。デッサンよりも先に描いてみること、使いやすい道具を選ぶこと、そして上手さより楽しさを大切にすること。それだけで、イラストはぐっと身近なものになります。

描いてみて、気づいて、また描く。その繰り返しが、自然とあなたの絵を育ててくれます。ぜひ今日の一枚から、イラストのある時間を楽しんでみてください。

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